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猫の食欲不振の原因、治療法について獣医師が解説|立川市のあまの動物病院

 

 

 

立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。東京都立川市にあるあまの動物病院です。

猫はしばしば気まぐれで、時には食事をあまりとらないことがありますが、食欲不振が長期化すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

食欲不振は、単なる一時的な症状にとどまらず、さまざまな健康問題を引き起こすサインであることが多いのです。

今回は猫の食欲不振の症状、原因、診断方法、そして治療法について詳しく解説します。

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猫の食欲不振の症状

猫の食欲不振は、飼い主さんが気づきやすい症状のひとつです。通常、食事の時間になれば興奮して寄ってくる猫も、急に食べなくなったり、食べる量が極端に減ったりすることがあります。具体的な症状としては以下のようなものがあります。

  • 食事を全く食べない: 一日中ご飯を残してしまう、もしくは完全に食べなくなる。
  • 食事の量が減る: 普段よりも少量しか食べない、または食べるペースが遅くなる。
  • おやつやお水も摂取しない: 食事以外の摂取も減少する。
  • 体重の減少: 食べなくなることによって、目に見えて体重が減ってしまう。
  • 嘔吐や下痢、便秘: 消化器系に問題がある場合、食欲不振と共に嘔吐や下痢、便秘などの症状が現れることもあります。

もし、猫が食事をまったく摂らなくなるなど、長期間にわたって食欲が落ちた場合、早急に獣医師の診断を受けることが重要です。

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猫の食欲不振の原因

猫の食欲不振は多くの原因によって引き起こされることがあります。一般的には、以下のような要因が考えられます。

  1. 消化器系の問題

胃腸の不調や消化不良は、猫が食欲を失う一因となります。食物アレルギー、食物不耐症、消化不良、胃腸炎、膵炎、さらには腸閉塞などが原因となることがあります。これらの症状は、食事後に嘔吐や下痢、便秘が伴うことが多いです。

  1. 歯や口内の疾患

歯周病や歯石、口内炎、歯の欠損、さらには口内にできた腫瘍などが原因で食べ物を噛むことが痛みを伴うことがあります。猫は痛みを感じると、食べることを避ける傾向があり、このような口腔内のトラブルが食欲不振を引き起こすことがあります。

  1. 感染症やウイルス

猫の食欲不振は、感染症やウイルスに起因することもあります。例えば、猫風邪(猫ウイルス性呼吸器疾患)やFIV(猫免疫不全ウイルス)、FeLV(猫白血病ウイルス)などの感染症が原因で食欲が落ちることがあります。

  1. 内臓疾患

肝臓や腎臓の病気、糖尿病、甲状腺疾患など、内臓の不調が食欲不振の原因になることもあります。特に高齢の猫に見られることが多く、これらの疾患は食欲不振以外にも、元気の喪失、体重減少、異常な飲水量や尿量増加などの症状が伴うことがあります。

  1. ストレスや環境の変化

猫は非常に繊細で、環境の変化に敏感です。引っ越し、新しいペットの導入、人間の生活スタイルの変更、騒音や気温の変化など、猫にとってストレスとなる要因が食欲不振を引き起こすことがあります。

  1. 痛みや不快感

どんなに小さな体の不調でも、猫にとっては大きな影響を及ぼすことがあります。関節痛や筋肉痛、内臓の不調、傷など、体のどこかに痛みがあると食欲が落ちることがあります。


猫の食欲不振の診断

猫の食欲不振が続く場合、まずは獣医師に診てもらうことが重要です。診断には、詳細な問診と身体検査が必要です。獣医師は、飼い主からの食事内容や変化、猫の生活環境や行動について尋ね、全身のチェックを行います。

次に、必要に応じて以下の検査が行われることがあります。

  • 血液検査: 内臓機能や感染症、炎症の有無を調べます。
  • 糞便検査:便の中に寄生虫、悪玉菌がいないか確認します。
  • 尿検査: 腎臓や糖尿病の兆候を確認します。
  • レントゲン検査や超音波検査: 消化器系や内臓の異常を調べます。
  • 口腔検査: 歯や口腔内の問題があるか確認します。
  • 内視鏡検査:全身麻酔の元腸の組織を採取し顕微鏡検査、遺伝子検査を行います

これらの検査結果を基に、獣医師は猫の食欲不振の原因を特定し、適切な治療方法を提案します。


猫の食欲不振の治療

猫の食欲不振の治療は、原因によって異なります。以下は代表的な治療方法です。

  1. 消化器系の治療

消化不良や胃腸の炎症が原因であれば、消化を助ける薬や抗炎症薬を使用することがあります。場合によっては、食事の内容を変えることもあります。消化に優しいフードを与え、必要に応じて食事量を少しずつ増やしていきます。

  1. 口内の治療

歯周病や口内炎が原因であれば、歯の治療や抗生物質が処方されることがあります。ひどい場合には歯の抜歯が必要となることもあります。

  1. 内臓疾患の治療

肝臓や腎臓の疾患が原因の場合、薬物療法や食事療法、場合によっては点滴が必要になることがあります。糖尿病の場合はインスリン注射が行われることもあります。

  1. ストレスの軽減

ストレスが原因で食欲不振が起きている場合は、環境を改善し、猫がリラックスできる場所を作ることが大切です。また、フェロモンやストレス緩和サプリメントを使った製品を使用して、リラックスさせることも効果的です。


あまの動物病院の消化器科治療の特徴

①必要な検査をすること、必要ではない検査はしないこと

ワンちゃんやネコちゃんの嘔吐や下痢は、ほとんどの場合は、一過性のもので、適切な治療によりすぐに改善することがほとんどです。ですが、一部で重大な病気が隠れており、適切な検査や原因疾患へのしっかりとした治療が必要となる場合もあります。当院では、そのあたりを問診や一般身体検査から判断し、飼い主様と十分相談してから、必要と判断されれば検査をお勧めさせていただいております。

②様々な検査や治療方法が対応可能

検査が必要とされた場合、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、糞便検査が実施可能です。内視鏡処置や外科手術などが必要な場合も対応可能です。

③豊富な手術実績と術後管理

異物の除去から、腫瘍の切除、消化管の吻合など様々な手術実績があります。また、胃捻転や消化管閉塞など、緊急を要する手術も可能です。消化管の手術は、術後の入院管理も重要になります。当院では、輸血を含むカロリー輸液やカテーテルによる経胃経腸栄養療法などで、治癒の促進に努めています。


■まとめ

猫の食欲不振は、時に生命に関わる病気のサインとなることがあります。もし、食欲不振が続き、元気がなくなるような場合には、早めに獣医師に相談することが重要です。

当院では、猫の食欲不振に関する相談を受け付けており、専門的な治療を行っておりますので、お悩みの際はぜひご連絡ください。

健康な猫を保つためには、日々の観察と早期の対応が重要です。猫の食事や生活習慣について気になることがあれば、いつでもご相談ください。