猫のワクチンについて!その方法とポイントを獣医師が解説|立川市のあまの動物病院
立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。東京都立川市にあるあまの動物病院です。今回は知っているようで知らない猫のワクチンについてご説明しようと思います。
当院では、猫のワクチン接種を行っております。お悩みの場合は是非一度ご相談ください。
1. はじめに
猫の健康を守るために最も重要なことの一つが、適切なワクチン接種です。ワクチンは、猫が病気にかかりにくくするための免疫を作り出す役割を果たします。特に、野外に出ることのない室内飼いの猫でもワクチン接種は必要です。ワクチン接種は猫の健康を守る上で欠かせません。あまの動物病院では、飼い主さまと猫の健康を第一に考えたワクチンサービスを提供しています。経験豊富な獣医師が、猫のライフスタイルや健康状態に応じたワクチンプランを提案し、安全な環境で接種を行っています。
2.猫のワクチンの基礎知識
ワクチンの仕組み
ワクチンは、体内に弱体化した、若しくは死んだ細菌やウイルスを注射することで、免疫を高める働きがあります。ワクチンが体内に注入されると、免疫システムはその病原体を「覚え」、次回その病原体が侵入した際にすぐに反応できるようになります。これにより、感染症から守られるわけです。
ワクチン接種の効果がある主な病気
- 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症):非常に高い致死率を持つ病気で、嘔吐、下痢、食欲不振が主な症状です。
- 猫カリシウイルス感染症:猫の上気道に影響を与えるウイルスで猫風邪の原因となるウイルスで、発熱、口内の潰瘍、くしゃみ、鼻水が見られます。悪化すると呼吸困難、肺炎、により死亡する恐れがあります。
- 猫ヘルペスウイルス感染症:カルシウイルス同様に猫風邪の原因となり、結膜炎、くしゃみ、鼻水を引き起こします。こちらも悪化すると呼吸困難、肺炎、により死亡する恐れがあります。
- 猫クラミジア菌感染症:こちらも猫風邪の原因となる細菌です。結膜炎、くしゃみ、鼻水を引き起こします。
- 猫白血病ウイルス感染症:免疫力を低下させ、他の感染症にかかりやすくなり、長期的な健康問題を引き起こします。
- 猫エイズウイルス感染症:猫白血病ウイルス同様免疫力を低下させ、他の感染症にかかりやすくなり、さまざま症状を引き起こします。(2024年12月現在、日本ではエイズウイルスのワクチンは生産が休止しております。)
これらの病気は、適切なワクチン接種によって予防、発症、重症化の抑制をすることが可能です。
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3.猫のワクチンの種類
コアワクチンとノンコアワクチンの違い
コアワクチン対象 | ノンコアワクチン対象 |
猫カルシウイルス感染症 | 猫白血球減少症ウイルス |
猫ヘルペスウイルス感染症 | 猫クラミジア菌 |
猫白血球減少症ウイルス感染症 | (猫エイズウイルス感染症) |
ワクチンには「コアワクチン(推奨)」と「ノンコアワクチン(状況によって選択)」の2種類があります。コアワクチンは、猫の健康にとって非常に重要で、飼い主の責任で接種する必要があります。ノンコアワクチンは感染症にかかっている猫と一緒に暮らしている、逃亡癖がある、外と行き来している、未去勢、未避妊など、猫のライフスタイルに応じて接種を選択するものです。
3種、5種混合ワクチンの特徴と選び方
一般的に、3種混合ワクチンは猫汎白血球減少症、猫カリシウイルス感染症、猫ヘルペスウイルス感染症とコアワクチンを予防します。5種混合ワクチンはこれに加えて、猫白血病ウイルス感染症、猫クラミジアを含むため、より包括的な保護が得られます。選び方は飼い主と猫の生活環境やリスクを考慮して、相談しながら決めましょう。
猫のライフスタイル別に適したワクチンプラン
室内飼いの猫も外に出る機会が少なくても、感染リスクはゼロではありません。例えば、飼い主が外から持ち帰るウイルスが感染する場合や、新しい同居猫を迎えて感染する場合、珍しい例で言えば、網戸越しの野良猫の接近によって感染した例もあります。また、他の動物との接触がある場合や、旅行で宿泊施設に行く場合、予防が求められます。完全に家の中で飼われている猫でも、3種の混合ワクチン接種を行いましょう。
また、5種のワクチンは外に出て他の猫との接触が多い場合に有効です。また、外には出ないが、自身の猫や同居猫がノンコアワクチンで予防できる感染症に感染している場合も5種のワクチンの接種をオススメしております。
4.ワクチン接種のタイミング
子猫時代の初回接種とその後のブースター接種
子猫は、母猫から受け取った免疫が生後数週間から数ヶ月の間に徐々に低下します。初回接種は生後12週で開始され、3〜4週間後に再度行われます。これを「ブースター接種」と言い、免疫を強化します。但し、12週以前にブリーダー、ペットショップ、保護施設などで12週齢以前に接種している場合があります。幼猫の免疫強化のための処置ですが、その場合、母猫から貰った免疫が働いてしまう場合があります。そのため、当院では確実な『免疫獲得』のために、加えて2回行う場合があります。
成猫やシニア猫におけるワクチン
1歳以上の成猫は状況によって1年〜数年に1回のワクチン接種を推奨しております。但し数年で1回のワクチン接種でも良い場合はいくつか条件があります。
- 母体も含め、生後から1歳までの間に猫風邪を発症していない。
- 飼い主の生活環境において他の猫と接触する機会が無い(近所に外猫がいない)。
- 多頭飼いではない。
- 保護猫ではない
- 1〜4のどれかに該当している、していないに関わらず、年に1回のワクチン抗体検査において十分な抗体が確認できている。
以上の条件に該当した場合、当院では数年に1回のワクチン接種でも良いと考えています。反対を言えば、どれかに該当しない場合は発症リスクが高いため、1年に1回の接種をオススメしております。また、シニア猫は免疫力の低下により、病気にかかるリスクが高くなりますので定期的なワクチン接種は、健康を維持するために1年に1回接種しましょう。
接種を忘れた場合の対応策
ワクチン接種を忘れた場合でも、早めに当院へご来院して、必要な追加接種を受けることができます。特に発症のリスクが高い場合は、遅れた分を取り戻すことが大切です。
5.ワクチン接種の流れ
ワクチン接種の準備
接種前には健康診断を行い、猫の状態を確認します。ワクチンは僅かながらも体に負担がかかります。健康な猫にワクチンを接種することで、副反応のリスクを最小限に抑えることができます。
動物病院での接種手順
接種は必要なワクチンを決定し、注射を行います。接種後は少しの間様子を見て、異常がないかを確認します。当院では一番副作用が発生しやすい接種後15分は待合室で待機していただいています。また、その時間を利用して、爪切り等を無料で行っています。
接種後の副反応と対処法
副作用として多いのが顔面の腫れ、嘔吐、アナフィラキシーショックです。特にアナフィラキシーショックは命の危険があります。その場合、歯茎や舌が白くなったり、食事が出来ないぐらいぐったりします。それら異常が出た場合はすぐ病院へご来院ください。また、近年ワクチンの改良により滅多に認められませんが、接種部位が腫瘍化(注射部位肉腫)することがあります。ワクチン接種部位が腫れてくる場合もすぐ病院でご来院ください
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6.猫のワクチンの効果と必要性
予防できる感染症の具体例
ワクチンは、上記のような致死率の高い病気や感染症の発症、重篤化を防ぎます。これにより、猫の健康を長期間維持することが可能です。
ワクチン接種をしない場合のリスク
ワクチンを接種しない猫は、感染症にかかるリスクが高まります。特に猫同士が接触する場面では、感染が広がりやすくなります。また、感染、発症した場合の症状の緩和もワクチンの効果としてありますので、症状が重篤化する可能性があります。
猫同士の感染を防ぐための重要性
猫同士の感染症の拡大を防ぐためにも、ワクチン接種は不可欠です。これは、飼い主自身の責任でもあり、猫コミュニティ全体の健康を守るために重要です。
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7.ワクチン接種に関するよくある質問
室内飼い猫にも必要なのか?
はい。室内飼いであっても、感染のリスクはゼロではありません。特に飼い主が外からウイルスを持ち帰ることも考慮しなければなりません。また、幼少期に感染しており、その後発症する場合もあります。その場合、ワクチン接種によって発症の抑制や重篤化の抑制が可能です。
副反応が心配な場合の対応
副反応が心配な場合、事前に獣医師に相談し、リスクを最小限にする対策を講じることができます。一つの例で言えばワクチン抗体検査が挙げられます。少量の血液で免疫力が確認でき、ワクチンの必要性の有無がわかります。ワクチン抗体検査は年に1回行うことをオススメしています。
他の動物や環境への影響は?
ワクチン接種による影響はほとんどありません。万が一の副反応は、迅速に適切な対処で対応いたします。何かある場合はお電話、ライン相談でお伺いください。
8.あまの動物病院でできること
ワクチン接種と健康診断のセットメニュー
あまの動物病院では、ワクチン接種とともに歯石チェック、心音など簡易的な健康診断も行い、総合的な健康管理をサポートします。また、ワクチン接種時、爪切り、足裏カットなど日常ケアを無料で行っております。
飼い主さま向けのワクチン接種計画の提案
飼い猫に最適なワクチンプランを提案し、長期的な健康維持を支援します。
立川市に密着した安全・安心のケア
地域に密着し、安心して通える環境を整えています。お近くの皆さま、ぜひご相談ください。
9.まとめ
猫の健康を守るためにワクチン接種は不可欠です。定期的な接種を通じて、猫と飼い主の安心な生活をサポートします。ワクチン接種のご相談や予約は「あまの動物病院」まで、お気軽にお問合せください。