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犬の食欲不振の原因、治療法について獣医師が解説|立川市のあまの動物病院

立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。
東京都立川市にあるあまの動物病院です。

今回は犬の食欲不振について、その原因、症状、治療法について詳しく解説いたします。
犬が食欲を失うことは飼い主にとって非常に心配なことです。
食欲不振は単なる一時的な症状に過ぎない場合もあれば、深刻な健康問題が隠れていることもあります。愛犬の健康を守るためにも、食欲不振の原因を理解し、適切な対応を取ることが大切です。

当院では、犬の食欲不振に対する診断や治療を行っております。食欲が減少したり、食べるのを拒否したりした場合は、早期にご相談いただくことをお勧めします。

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消化器専門診療


犬の食欲不振とは

犬の食欲不振は、食べる量の減少や食べる意欲の喪失を指します。これにはいくつかの段階があります。例えば、食べる速度が遅くなったり、食事の時間が長くなったりする場合、最初は「ただの気まぐれかな」と考えることもあります。しかし、食事を完全に拒否する、または食べることに全く興味を示さない場合は、体調に問題があるサインと捉えるべきです。

食欲不振の原因は多岐にわたりますが、いずれにしても犬の体調に何らかの異常が生じている可能性があります。愛犬が普段通りの食事を摂れないことは、健康に深刻な影響を与える可能性があるため、早期の対応が重要です。


犬の食欲不振の原因

犬が食欲不振を示す原因は非常に多く、その中でも代表的なものをいくつかご紹介します。

  1. 消化器系の問題

消化不良や胃腸の不調が食欲不振の原因となることがよくあります。例えば、胃炎や腸炎、消化酵素の不足、便秘などが考えられます。消化器系のトラブルは食後に嘔吐を伴うことが多く、これにより犬は食事を避けるようになります。食事の際にお腹を壊すことを避けたいため、自然と食欲が落ちてしまうのです。

  1. 内臓疾患

肝臓や腎臓、膵臓などの内臓に疾患がある場合、食欲が低下することがあります。これらの臓器が正常に機能していないと、体内での老廃物の処理や栄養の吸収がうまくいかなくなり、その結果として食欲が減退することがあります。特に腎不全や肝不全、膵炎は慢性化すると食欲不振が長期間続くため、早期の診断と治療が求められます。

  1. 腫瘍疾患

腹部の腫瘍はもちろんその他の腫瘍(白血病や乳腺腫瘍など)が原因で食欲が低下することがあります。悪性腫瘍の場合、腫瘍から栄養を奪われて悪液質(血液の栄養不良)となって体内の毒素が溜まって食欲が低下してしまうことは獣医界でも重要な観点となっています。また、良性の腫瘍でも胃や喉を圧迫することで食欲が低下することがあります。そのため、腫瘍に対する対応を早期のうちから行うことが重要です。

  1. 感染症や病気

ウイルスや細菌による感染症、または寄生虫による影響も食欲不振の原因となります。例えば、犬ジステンパーウイルスやパルボウイルス、または犬の下痢症状などは食欲を低下させることがよくあります。これらの感染症は急激に体調を悪化させることが多いため、早急に治療を始めることが重要です。

  1. ストレスや環境の変化

犬は環境の変化やストレスに敏感です。引っ越し、新しい家族の登場、飼い主の長期間の不在、あるいは騒音や他のペットとのトラブルなどがストレスとなり、食欲不振を引き起こすことがあります。特に、普段は元気で食欲も旺盛な犬が急に食事を拒否し始めた場合は、ストレスが原因となっている可能性が高いです。

  1. 歯や口腔の問題

歯の痛みや歯茎の炎症、口内炎など、口腔内の問題が原因で食べることが困難になることがあります。歯が痛いと食事を取るのが辛くなり、食欲が落ちることがあります。特に高齢犬に多く見られる問題であり、歯科治療が必要な場合もあります。

  1. 加齢による食欲低下

年齢を重ねることで、犬の食欲は自然に減少することがあります。加齢に伴い、犬は食事の嗜好が変わったり、食べる量が少なくなったりすることが一般的です。しかし、あまりにも急激な食欲低下や体重減少が見られる場合は、何らかの病気が関与している可能性があるため注意が必要です。

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犬の食欲不振の診断

犬の食欲不振の原因を特定するためには、専門的な診断が必要です。獣医師による診断は、単に症状を確認するだけでなく、原因を特定するために詳細な検査が行われます。診断方法は以下のようなものがあります。

  1. 問診

まず、飼い主から犬の普段の食事内容や食欲の変化、その他の症状(嘔吐、下痢、体重減少など)について詳細に聞き取ります。これにより、原因の絞り込みが進みます。

  1. 身体検査

犬の体を触診し、異常がないかをチェックします。体重測定や体温測定、口腔内の視診、腹部の触診、聴診などを行い、痛みを感じていないか、異常がないかを確認します。

  1. 血液検査

血液検査により、肝臓、腎臓、膵臓の状態を確認したり、感染症の兆候を探したりします。これにより、内臓疾患や感染症の有無を判断することができます。

  1. レントゲンや超音波検査

消化器系の問題が疑われる場合、レントゲンや超音波検査を実施することがあります。これにより、腸内に異物があるか、内臓に腫瘍や炎症がないかを確認します。場合によっては

  1. 内視鏡検査

異物による嘔吐や、画像検査で異常がある場合内視鏡検査を行います。異物の場合その異物を内視鏡を用いて除去することができます。また、内視鏡で胃や腸の組織の採取、ポリープの採取を行なって、組織検査、遺伝子検査を行うこともできます。


犬の食欲不振の治療

食欲不振の治療方法は、原因に応じて異なります。原因が特定されたら、それに対する治療を行います。

  1. 消化器系の問題

消化不良や胃腸の問題が原因であれば、消化を助ける薬や食事の変更が必要になります。特別な療法食を与えることで、胃腸の負担を減らし、回復を促進します。

  1. 内臓疾患

肝臓や腎臓に問題がある場合、専用の薬物療法が行われることがあります。腎不全の場合、点滴や薬物治療で腎臓の機能をサポートすることが重要です。また、必要に応じて手術や治療が行われることもあります。

  1. 腫瘍疾患

根治治療としては外科手術がありますが、外科手術が困難な場合は放射線治療や抗がん剤治療等が適応になる場合もあります。その他にも治療補助サプリメントや栄養管理が重要になることがあります。

  1. 感染症の治療

感染症が原因であれば、抗生物質や抗ウイルス薬が処方されます。早期の治療が回復を早め、合併症を防ぐために重要です。

  1. ストレス軽減

ストレスが原因の場合、環境を整えることが第一歩です。飼い主との時間を増やしたり、静かな場所で休ませたりすることが必要です。

  1. 口腔のケア

歯の問題が原因であれば、歯科治療が必要になります。歯石除去や抜歯治療を行い、痛みを和らげることで食欲を取り戻すことができます。


■あまの動物病院の消化器科治療の特徴

①必要な検査をすること、必要ではない検査はしないこと

ワンちゃんやネコちゃんの嘔吐や下痢は、ほとんどの場合は、一過性のもので、適切な治療によりすぐに改善することがほとんどです。ですが、一部で重大な病気が隠れており、適切な検査や原因疾患へのしっかりとした治療が必要となる場合もあります。当院では、そのあたりを問診や一般身体検査から判断し、飼い主様と十分相談してから、必要と判断されれば検査をお勧めさせていただいております。

②様々な検査や治療方法が対応可能

検査が必要とされた場合、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、糞便検査が実施可能です。内視鏡処置や外科手術などが必要な場合も対応可能です。

③豊富な手術実績と術後管理

異物の除去から、腫瘍の切除、消化管の吻合など様々な手術実績があります。また、胃捻転や消化管閉塞など、緊急を要する手術も可能です。消化管の手術は、術後の入院管理も重要になります。当院では、輸血を含むカロリー輸液やカテーテルによる経胃経腸栄養療法などで、治癒の促進に努めています。


犬の食欲不振は様々な原因によって引き起こされるため、早期に原因を特定し、適切な治療を行うことが健康を守るために非常に重要です。
もし、愛犬が食べない、食欲が減少していると感じたら、早めにあまの動物病院へご相談ください。当院では、愛犬に最適な治療を提供し、健康回復をサポートいたします。

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