犬の膝蓋骨脱臼の症状、原因、治療法について獣医師が解説|立川市のあまの動物病院
立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。
東京都立川市にあるあまの動物病院です。
今回は、犬の膝蓋骨脱臼について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。
当院では、犬の膝蓋骨脱臼の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
■犬の膝蓋骨脱臼とは
犬の膝蓋骨脱臼とは、膝関節の上部にある膝蓋骨(パテラ)が本来の位置からずれてしまう状態を指します。膝蓋骨は大腿骨と脛骨の間にある小さな骨で、膝関節の動きに重要な役割を果たしています。
この脱臼は、内側(内側脱臼)または外側(外側脱臼)に起こることが一般的です。特に小型犬は内側(内側脱臼)多く、大型犬は外側(外側脱臼)が多く見られる病態で、犬の生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があります。
■犬の膝蓋骨脱臼の症状
犬の膝蓋骨脱臼にはいくつかの明確な症状があります。主なものには以下のようなものがあります。
- 跛行(はこう)
片足を上げるか、歩行時に片足を庇うことがよく見られます。 - 運動の拒否
膝に痛みがあるため、通常の活動を避けるようになります。特に階段の上り下りや、ジャンプを嫌がることがあります。 - 膝関節の不安定感
膝の動きが不自然で、時折脚が「スリップ」したり、走る際に後ろ足がウサギ跳びするような感じを見せることがあります。 - 発作的な痛み
脱臼が起こった瞬間に痛みが激しくなり、ワンちゃんが鳴いたり、抱っこの際に怒ることがあります。 - 腫れや炎症
膝周辺の腫れや熱感が見られることがあります。
これらの症状が見られた場合、早めの受診が必要です。
■犬の膝蓋骨脱臼の原因
膝蓋骨脱臼の原因は多岐にわたります。主な要因としては以下のようなものがあります。
1. 先天性の要因
特に小型犬種(トイプードルやマルチーズなど)は、膝蓋骨の溝が浅く、脛骨粗面(膝蓋骨を支える筋の付け根)の先天的な異常があるため、脱臼しやすい傾向があります。
2. 外傷
事故や激しい運動による外的な衝撃が原因で脱臼することがあります。
3. 肥満
体重が増加すると、膝関節にかかる負担が増し、脱臼のリスクが高まります。
4. 加齢
高齢犬では関節や筋肉の柔軟性が低下し、脱臼しやすくなります。
これらの要因を理解することは、予防策を講じる上で重要です。
■犬の膝蓋骨脱臼の診断
膝蓋骨脱臼の診断は、獣医師による詳細な診察を基に行われます。診断の過程には以下のような手順が含まれます。
- 問診
飼い主からの症状や犬の生活習慣、事故歴についての情報を収集します。 - 視診・触診
膝関節の状態を確認し、痛みや腫れがないかをチェックします。また、脱臼の有無を確認するために膝を動かすこともあります。 - 画像診断
X線検査を行うことで、膝蓋骨の位置や関節の状態を詳しく調べます。併発疾患(半月板損傷、前十字靭帯断裂など)によってはMRIやCTスキャンが必要なこともあります。
これらの診断を通じて、適切な治療方針を決定することができます。
■犬の膝蓋骨脱臼の治療
膝蓋骨脱臼の治療は、症状の重症度や犬の年齢、体重などに応じて異なります。以下は一般的な治療法です。
①非外科的治療
・安静
初期段階では、安静が最も重要です。ドックランや階段の登り降り、ソファの飛び降りなど激しい運動を避けることで、症状の悪化を防ぎます。
・ 内服薬、サプリメント
痛みがひどい場合は痛み止めや抗炎症薬を使って、生活に支障が出ないようにする場合があります。また、サプリメントを用いることで筋肉の維持や関節の保護、痛みのコントロールをして予防することができます。
・ 体重管理
肥満が原因の場合、体重を減らすことで膝への負担を軽減します。
・リハビリテーション
専門的なリハビリを通じて、その後に合わせたメニューを提供して関節周囲の筋肉を強化し、再発を防ぐことが目指されます。
②外科的治療
・手術
脱臼が頻繁に起こる場合や、関節の不安定性が著しく、歩行が困難な場合は手術が推奨されることがあります。手術では、膝蓋骨を正しい位置に戻し、固定する方法が取られます。
・術後ケア
手術後は、回復期間中に安静にさせ、徐々に運動を再開することが重要です。
いずれの場合も、早期発見と早期治療が重要ですので、少しでも異常を感じた場合は、すぐに当院に相談してください。
■まとめ
犬の膝蓋骨脱臼は、ワンちゃんに多く見られる病気であり、早期発見が重要です。症状が見られた場合は、適切な診断と治療を受けることで、愛犬の生活の質を保つことができます。当院では、犬の膝蓋骨脱臼の治療を行っておりますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。愛犬が健康で快適に過ごせるよう、サポートいたします。