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犬の慢性下痢の症状や原因、治療法について獣医師が解説|立川市のあまの動物病院

立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。

東京都立川市にあるあまの動物病院です。

今回は、犬の慢性下痢について、病気の症状や原因、治療法について解説していきます。

当院では、犬の慢性下痢の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

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《犬の慢性下痢とは》

犬の慢性下痢とは、持続的または断続的に3週間以上続く下痢を指します。急性下痢が一過性のものであるのに対し、慢性下痢は長期にわたり犬の健康に悪影響を及ぼします。慢性下痢は犬の消化管に何らかの問題があることを示すサインであり、早期の診断と治療が求められます。適切な対応を怠ると、犬の生活の質が低下し、さらなる健康問題を引き起こす可能性があります。

 

《犬の慢性下痢の症状》

慢性下痢の症状は多岐にわたります。代表的なものには以下のような症状があります。

  • 水様便:排便時の便が水っぽくなる。しばしば大量の水分が含まれているため、脱水のリスクが高まります。
  • 軟便:通常よりも柔らかい便を排出する。便の形が崩れ、正常な便とは異なる見た目になります。
  • 血便:便に血液が混じることがあります。赤い血液が見える場合もあれば、黒っぽい便(タール便)となることもあります。
  • 粘液便:便に粘液が含まれる。消化管の粘膜が炎症を起こしているサインです。
  • 頻繁な排便:一日に何度も排便を繰り返す。頻繁にトイレに行くため、犬自身もストレスを感じることがあります。
  • 体重減少:持続的な下痢により体重が減少します。栄養が吸収されにくくなるため、体重が減ってしまいます。
  • 脱水症状:持続的な下痢により水分を失い、脱水状態になることがあります。皮膚の弾力が失われ、元気がなくなるなどの症状が現れます。

これらの症状が見られる場合は、早急に動物病院を受診することが重要です。放置すると症状が悪化し、命に関わることもあります。

 

《犬の慢性下痢の原因》

慢性下痢の原因はさまざまです。以下に主な原因を挙げます。

  1. 食事の問題:食物アレルギーや食事の急激な変更が原因となることがあります。特定の食材に対する過敏反応や、低品質な食材が含まれている場合に下痢を引き起こします。
  2. 寄生虫:ジアルジアや回虫などの寄生虫が原因となることがあります。これらの寄生虫は消化管に寄生し、炎症を引き起こします。
  3. 感染症:細菌やウイルスによる感染症が原因となることがあります。サルモネラ菌やカンピロバクターなどが代表的です。
  4. 炎症性腸疾患(IBD):免疫系の異常により腸が慢性的に炎症を起こす疾患です。遺伝的な要因や環境要因が影響していると考えられています。
  5. 膵臓の問題:膵外分泌不全や慢性膵炎が原因となることがあります。膵臓の消化酵素が不足し、食物の消化吸収がうまくいかなくなります。
  6. ホルモンの問題:副腎ホルモンや甲状腺ホルモンなど体の体調を調整するホルモンのバランスが崩れることによって下痢を引き起こすことがあります。
  7. 腫瘍:腸内や消化器官に腫瘍ができることがあります。腫瘍が腸を圧迫したり、腸内の正常な機能を妨げたりします。
  8. 薬物の副作用:長期的な薬物の使用による副作用が原因となることがあります。特に抗生物質や消炎鎮痛薬などが影響を及ぼすことがあります。

 

《犬の慢性下痢の診断》

慢性下痢の診断には、以下のような手順が取られます。

  1. 問診:犬の病歴や食事、生活環境について詳しく聞き取ります。過去の病気や現在の症状についても確認します。
  2. 身体検査:体重、脱水症状、腹部の触診などを行います。全身状態を確認し、他に異常がないかチェックします。
  3. 便検査:寄生虫や細菌、血液の有無を調べます。便の顕微鏡検査や培養検査を行い、原因を特定します。
  4. 血液検査:全身の健康状態や炎症の有無を確認します。血液の成分を調べ、内臓の機能やホルモンバランス、ビタミンバランス、炎症マーカーをチェックします。
  5. 画像診断:X線や超音波検査で腸や他の内臓の状態を調べます。腸の形状や運動機能、腫瘍の有無を確認します。
  6. 内視鏡検査:必要に応じて内視鏡を使い、腸の内部を直接観察し、組織を採取します。組織検査や遺伝子検査を行い、詳細な診断を行います。

これらの診断手順を経て、慢性下痢の具体的な原因を特定します。診断結果に基づいて、適切な治療計画を立てます。

 

《犬の慢性下痢の治療》

慢性下痢の治療は、原因に応じて異なります。以下に一般的な治療法を挙げます。

  1. 食事療法:特定のアレルゲンを除去した食事や消化しやすい食事に変更します。市販の療法食や手作り食が推奨されることがあります。
  2. 寄生虫駆除:寄生虫が原因の場合は、駆虫薬を投与します。適切な駆虫薬を用いて、寄生虫を完全に排除します。
  3. 抗生物質:細菌感染が原因の場合は、適切な抗生物質を使用します。感染症の原因菌に対して効果的な薬剤を選択します。
  4. 抗炎症薬:炎症性腸疾患(IBD)の場合は、ステロイドや免疫抑制剤を使用します。腸の炎症を抑え、症状を改善します。
  5. 酵素補充:膵臓の問題が原因の場合は、消化酵素を補充します。膵外分泌不全の場合、酵素補充が必要です。
  6. プロバイオティクス:腸内環境を改善するために、プロバイオティクスを使用することがあります。善玉菌を補給し、腸内フローラのバランスを整えます。
  7. 手術・抗がん剤治療:腫瘍や腸の構造的な問題が原因の場合は、外科手術や抗がん剤治療が必要になることがあります。腫瘍の摘出や腸の修復手術、抗がん剤は注射や点滴の他、場合により飲み薬の処方を行います。

治療は犬の個々の状態に合わせて行われるため、獣医師との綿密な相談が重要です。また、治療期間中は定期的な経過観察が必要です。治療の進行状況を確認し、必要に応じて治療計画を修正します。

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《終わりに》

犬の慢性下痢は放置すると深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。早期の診断と適切な治療が犬の健康を守るために不可欠です。愛犬が慢性下痢の症状を示した場合は、早めに獣医師に相談し、適切な対応を取るよう心がけましょう。適切なケアと治療を行うことで、愛犬の健康を維持し、幸せな生活を送る手助けとなります。