立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。
東京都立川市にあるあまの動物病院の院長、米田です。
今回は犬の嘔吐について、原因や治療法について詳しく解説いたします。
当院では、嘔吐の治療を行っておりますので、お悩みの際はお気軽にご相談ください。
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■犬の嘔吐とは

犬が嘔吐をするということは、体調に何らかの異常が生じている兆候です。嘔吐は、胃や消化器系に何かしらの刺激や問題があることを示しています。嘔吐には、胃液や胆汁、さらには消化されていないものが含まれる場合もあります。また、嘔吐ではなく食べたものが胃に入らず、口から出てきてしまう場合(吐出)もあります。嘔吐の回数や時間、吐き出す内容物などによって、その原因が何かを考えることができます。
犬の嘔吐はしばしば見られる症状ですが、その背景には多くの原因が隠れています。例えば、食事に関する問題、感染症、寄生虫、あるいはもっと深刻な疾患が関わっていることもあります。そのため、犬が嘔吐をした場合、安易に対処するのではなく、原因をしっかりと特定し、適切な治療を行うことが大切です。
■犬の嘔吐の原因
犬が嘔吐をする原因は非常に多岐にわたります。主な原因をいくつか挙げてみましょう。
- 食事関連の問題
- 早食い・過食:犬が急いで食べ過ぎると、消化不良を起こして吐くことがあります。特にドッグフードを大きな塊で飲み込んでしまうことが原因になることがあります。
- 食べ物の質や種類:犬が食べるものにアレルギー反応を示すこともあります。例えば、特定の食材や添加物に対して敏感な犬が、それを摂取した後に嘔吐することがあります。また、ワクチンのアレルギーでも起きることがあります。
- 異物の誤飲:犬は好奇心が強く、異物を飲み込んでしまうことがあります。プラスチックやおもちゃ、衣類などが詰まることで、嘔吐や消化不良を引き起こします。
- 消化器系の問題
- 胃腸炎や食道炎:消化器系の炎症によって嘔吐が引き起こされることがあります。胃や腸の炎症は、ウイルスや細菌、ストレスなどさまざまな原因で発生します。また、人のように、繰り返す嘔吐や睡眠の仕方で犬も逆流性食道炎を引き起こすことがあります。
- 消化不良:食事が十分に消化されない場合、胃が過剰に働き、嘔吐を引き起こすことがあります。これには消化酵素の不足や胃の働きが弱くなることが関与しています。
- 胃酸過多:食事の間隔が空いてしまうことや、食事にムラがあると胃酸が増えて胃の不快感が増すことで嘔吐をすることがあります。
- 基礎疾患:胃腸炎の原因としてホルモン異常(アジソン病など)や膵炎などによって引き起こされている場合があります。その場合は嘔吐の原因となる病気を治療することが重要です。
- 感染症
- ウイルス性の疾患:犬パルボウイルスや犬ジステンパウイルスなど、ウイルス性の感染症が原因で嘔吐が見られることがあります。これらの感染症は他の症状と併発します、特に幼少期は重篤化することもあるため、早期治療が必要です。
- 細菌や寄生虫:寄生虫感染(例えば回虫や鞭虫など)や、細菌感染も嘔吐を引き起こす原因となります。特に屋外に出ることの多い犬においては、寄生虫や細菌に感染しやすく、注意が必要です。
- 中毒や毒物の摂取
- 毒物や薬物の誤飲:犬が誤って有害な物質を摂取した場合、嘔吐を引き起こすことがあります。例えば、植物(アボカドやアロエなど)、家庭用洗剤、人間用薬品などが含まれます。
- 食べてはいけない食品:チョコレート、ぶどう、玉ねぎなど、犬にとって毒性のある食べ物も嘔吐の原因となることがあります。
- その他の病気や疾患
- 内臓疾患:肝臓や腎臓の疾患、膵炎など、内臓の病気が原因で嘔吐をすることがあります。これらの病気は進行すると嘔吐や食欲不振が現れ、場合によっては重篤化することがあるため、迅速な治療が必要です。
- 神経疾患:脳震盪などの脳疾患や前庭疾患(バランス感覚の喪失)などでも嘔吐が認められることがあります。幼少期などにソファなどからの落下後、嘔吐をしてふらついたりすることがあります。こちらも重篤な場合、迅速な治療が必要な場合があります。

■犬の嘔吐の原因の診断

犬が嘔吐をした場合、その原因を正確に特定することが非常に重要です。症状が軽微な場合、特に原因が分からないときは、まずは観察が重要です。以下のような情報を獣医師に提供することで、診断がスムーズに進みます。
- 嘔吐の頻度とタイミング:嘔吐がどれくらいの頻度で起きているか、食事後すぐに嘔吐するのか、それとも長時間後に嘔吐するのか、決まった時間に嘔吐するのかなどの情報が診断に役立ちます。
- 嘔吐物の内容:嘔吐したものの色や形態、食べ物の状態、異物が含まれていないかなども診断の手掛かりとなります。例えば、緑の液体が出る場合は胆汁が含まれている可能性があり、膵臓や胆嚢、肝臓の問題を示唆することがあります。
- 犬の全体的な状態:食欲不振、元気がない、下痢、熱っぽいなど、嘔吐以外の症状も併せて観察することが重要です。
獣医師は、問診の後にさらに検査を行うことがあります。具体的には、血液検査、超音波検査、レントゲン検査などを実施し、嘔吐の原因を特定していきます。
■犬の嘔吐の治療
嘔吐の治療方法は、原因に応じて異なります。いくつかの治療法についてご紹介します。
- 薬物療法 嘔吐が消化器系の炎症や感染症によるものであれば、消化を助ける薬や、制吐剤、胃酸の分泌を抑える薬が使われることもあります。場合によっては抗生剤や駆虫薬を使用します。
- 点滴治療 嘔吐が続くと脱水症状を引き起こす可能性があるため、点滴による水分補給が必要となることがあります。点滴は、体内の水分や電解質を補うだけでなく、薬を直接投与する手段としても使われます。また、ビタミン剤などを併用する場合もあります。
- 食事の管理 嘔吐が落ち着いた後は、胃腸に負担をかけない消化の良い食事を少量ずつ与え、徐々に元の食事に戻していきます。獣医師が推奨する療法食が処方されることもあります。
- 外科的治療 異物の誤飲や腫瘍、消化器の閉塞が原因で嘔吐が起こっている場合、外科手術が必要となることがあります。早期に発見し、適切な治療を行うことで回復が見込まれます。
犬が嘔吐をする原因はさまざまで、場合によっては命に関わる病気が隠れていることもあります。嘔吐が続いたり、他の異常が見られた場合は、早めに動物病院を受けることをお勧めいたします。
■あまの動物病院の消化器科治療の特徴
①必要な検査をすること、必要ではない検査はしないこと
ワンちゃんやネコちゃんの嘔吐や下痢は、ほとんどの場合は、一過性のもので、適切な治療によりすぐに改善することがほとんどです。ですが、一部で重大な病気が隠れており、適切な検査や原因疾患へのしっかりとした治療が必要となる場合もあります。当院では、そのあたりを問診や一般身体検査から判断し、飼い主様と十分相談してから、必要と判断されれば検査をお勧めさせていただいております。

②様々な検査や治療方法が対応可能
検査が必要とされた場合、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、糞便検査が実施可能です。内視鏡処置や外科手術などが必要な場合も対応可能です。

③豊富な手術実績と術後管理
異物の除去から、腫瘍の切除、消化管の吻合など様々な手術実績があります。また、胃捻転や消化管閉塞など、緊急を要する手術も可能です。消化管の手術は、術後の入院管理も重要になります。当院では、輸血を含むカロリー輸液やカテーテルによる経胃経腸栄養療法などで、治癒の促進に努めています。

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