犬のフィラリア予防について獣医師が解説|立川市のあまの動物病院
立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。
東京都立川市にあるあまの動物病院です。
今回は、犬のフィラリア予防について、病気の症状や原因、予防法について詳しく解説いたします。
当院では、犬のフィラリア予防をしっかりとサポートしておりますので、気になる点があれば、ぜひ一度ご相談ください。
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はじめに
フィラリアとはどのような病気か
フィラリアとは、犬に感染する寄生虫病の一つで、正式には「犬フィラリア症」と呼ばれます。フィラリアは、蚊を媒介にして犬の体内に感染し、心臓や肺の血管(肺動脈)に寄生します。フィラリアが成虫となると、犬の心臓や血管内で血流を妨げ、死亡してしまうことがあります。
なぜフィラリアの予防が重要なのか
フィラリアは、蚊を媒介とする感染症であるため、完全に回避するのが難しく、予防が非常に重要です。感染すると、初期には症状が現れにくいため、飼い主が気づかないうちに病状が進行することがあります。早期発見が遅れると、治療が困難になり、最悪の場合、命に関わることもあります。したがって、フィラリア予防は非常に大切です。
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フィラリアの基礎知識
感染の仕組み(蚊を介した感染経路)
フィラリアの感染は、蚊が媒介します。蚊がフィラリアに感染した犬の血を吸うと、その蚊の体内でフィラリアの幼虫が発育します。その蚊が別の犬を刺すことにより、幼虫がその犬に移り、体内で成長します。成虫になると、犬の心臓や肺の血管に寄生し、血流を妨げることで様々な症状を引き起こします。感染してからフィラリアが成虫になるまでには6ヶ月ほどかかるため、感染初期には症状が現れないことが多いです。
フィラリアが引き起こす主な症状
フィラリアに感染すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 咳:特に運動後や夜に横になって寝ている時に見られることが多いです。
- 失神:興奮した時などや運動中に突然倒れて意識を失うことがあります。
- 呼吸困難:フィラリアが心臓や肺の血管に寄生することで、血液循環がうまくいかず、呼吸が苦しくなります。
- 腹水(お腹が膨れる):フィラリアが心臓に重篤な影響を与えることで、腹部に水分が溜まることがあります。
症状が進行すると、犬の生活の質が著しく低下し、最終的には命に関わることもあります。
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フィラリアが特に危険な時期
日本におけるフィラリアの流行時期
フィラリアの感染は、蚊が活発になる時期に発生します。東京では、蚊の活動が活発になる4月から11月頃が特にフィラリア感染のリスクが高い時期です。気温が温暖で湿度の高い季節に蚊が繁殖し、その蚊が犬を刺すことによって感染が広がります。
立川市近辺での注意点(地域性を考慮)
立川市をはじめとする東京都内でも、蚊の発生は高温多湿の時期に増えます。公園や河川敷、保護林などに、蚊の生息場所が多いため、散歩や外出時に蚊に刺されるリスクが高くなります。また、近年は温暖化によって蚊の発生が早く、長期間続くこともあるため、通年予防することで感染リスクを下げることができます。
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予防の方法
〇薬による予防(投薬の時期と頻度)
フィラリア予防は、主に月1回の薬物投与を行うのが一般的です。この予防薬は、フィラリアの幼虫が犬の体内に侵入するのを防ぐ役割と侵入したフィラリアが成長する前に駆虫する役割を果たします。東京では予防のために投薬の開始時期は、蚊が活発になる春(通常は4月下旬〜5月頃)にスタートし、蚊の活動が終わった1ヶ月後(11月下旬~12月頃)まで続けることが必要です。
ただし近年の温暖化の影響から3月〜翌年1月までの期間、もしくは1年中予防するなど長い期間予防することをお勧めしております。
また、予防薬には様々な種類があります。
- フィラリアだけでなく、ノミやダニ、回虫などの複数の寄生虫に効果があるもの
- 柔らかいおやつのような形状のもの
- お肉のフレーバーがついているもの
- 背中につけるもの
- 1年に1回の注射を行うもの
などがございます。当院ではその子にあった予防薬が提供できますように各種取り揃えております。予防薬をあげることに苦戦されている方はぜひご相談ください。
また、通年投薬されていない方は年に1回、フィラリア検査を行うことも大切です。もし、フィラリアに大量に感染している状態で駆虫薬を飲ませるとアナフィラキシーショックを起こし死亡する場合があります。必ず検査をしてから始めましょう。
〇環境管理(蚊の発生を防ぐ方法)
予防薬の使用と並行して、環境管理も重要です。飼い主の方ができることとしては、庭やベランダに水たまりを作らないようにすることが挙げられます。蚊は水たまりで卵を産み、幼虫が育つため、水を溜めたままにしないように注意しましょう。また、散歩時には蚊の多い場所や時間帯(夕暮れ時など)を避けることも効果的です。
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治療について
〇感染が判明した際の治療法
もしもフィラリアに感染し発症してしまった場合、治療は非常に困難で費用もかかります。フィラリアの成虫を体外に排出するためには、薬物療法や手術が必要となる場合があります。治療が遅れると、重篤な心不全を引き起こし、命を危険にさらすことになります。
〇予防と治療のコスト比較
予防薬のコストは体重やノミダニを一緒に予防できるものなどの種類に左右され、月々千円〜4千円程度です。一方、治療は数十万円以上の費用がかかることがあり、早期予防の重要性がわかります。予防を徹底することで、病気の発症リスクを最小限に抑え、結果的に医療費を大幅に削減することができます。
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立川市の「あまの動物病院」でできること
〇フィラリア予防薬の処方
当院では、犬のフィラリア予防のために必要な薬を処方いたします。各犬の健康状態に合わせた予防方法を提案し、飼い主さまに最適な治療プランを提供します。
〇健康診断やフィラリア検査
予防を始める前に、フィラリア感染の有無を確認するためのフィラリア検査を実施しています。また、年に数回の健康診断と合わせてフィラリア検査を行い、感染の早期発見に努めています。
〇飼い主さまへの具体的なアドバイス
当院では、飼い主さまに対して、フィラリア予防の重要性や具体的な予防方法についてのアドバイスも行っています。どんな小さな疑問にもお答えしますので、予防に関することが気になる方は、ぜひご相談ください。
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おわりに
飼い主さまへのメッセージ
フィラリアは予防が最も重要な病気です。定期的な予防薬の投与と環境管理で、愛犬を守りましょう。予防を怠ることで、後悔する前に早期の対策を講じることが大切です。
気になる症状があれば早めに相談を
もし、愛犬に咳や食欲不振、呼吸困難などの症状が見られた場合は、早期にご相談ください。早期発見・早期治療が、犬の健康を守る最も効果的な方法です。
フィラリア予防についてお悩みの方は、立川市のあまの動物病院までお気軽にご相談ください。