【獣医師が解説】犬のけいれん|原因・症状・治療・予防まで徹底解説|立川市のあまの動物病院
【獣医師が解説】犬のけいれん|原因・症状・治療・予防まで徹底解説|立川市のあまの動物病院
立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。
東京都立川市のあまの動物病院です。
「突然犬が震えだした」「急に倒れて体が硬直し、けいれんしている」——目の当たりにするととても驚かれる症状です。犬のけいれんは一時的なものから命に関わる病気まで原因がさまざま。この記事では、症状・原因・治療法・予防法を獣医師がわかりやすく解説します。
犬のけいれんとは?
けいれんは、脳や神経の異常な電気活動により筋肉が突然強く収縮する状態です。
数秒〜数分続くことが多く、意識消失を伴う場合もあります。放置すると繰り返すこともあるため、原因特定と適切な治療が重要です。
犬のけいれんの症状
- 体の一部がピクピク震える(焦点発作)
- 全身が硬直してバタバタする(全般発作)
- 意識がない/呼びかけに反応しない
- 大量のよだれ・泡を吹く
- 排尿・排便を伴う
- 発作後のふらつき・混乱・嘔吐(発作後期)
犬のけいれんの原因
脳・神経の異常
- 特発性てんかん(遺伝的・原因不明)
- 脳腫瘍・脳炎(免疫介在性/感染性)
- 外傷・水頭症・脳出血
- 先天奇形(例:キアリ様奇形)
代謝性・全身疾患
- 低血糖(子犬・小型犬に多い)
- 低カルシウム血症(授乳期の母犬など)
- 肝不全・腎不全・電解質異常
- 中毒(チョコレート、キシリトール、薬物など)
- 心疾患・血栓症、重篤な感染症 など
その他の誘因
- 強いストレス・興奮、一定間隔の高音や強い光刺激
- 高熱・発熱性疾患
動物病院に行くべき目安(救急のサイン)

- けいれんが5分以上続く(発作重積)
- 1日に複数回起きる/群発発作
- 3か月に1回以上の頻度で繰り返す
- 発作後も意識が戻らない・回復が遅い
- 嘔吐・下痢・食欲不振などの全身症状を伴う
- 中毒の可能性がある(誤食の心当たり)
上記はいずれも至急受診の目安です。まずはお電話で状況をお伝えください。
犬のけいれんの治療法
- 抗けいれん薬:てんかん・脳疾患で発作コントロール
- 療法食:けいれん・認知機能をサポートする栄養設計のフード
- 脳圧降下・抗浮腫療法:腫瘍・水頭症・脳挫傷など
- 原因疾患治療:肝・腎疾患、電解質異常の是正、感染治療
- サプリメント:薬物治療の補助目的で併用することあり
- 点滴・投薬:低血糖・低Ca血症・中毒時の緊急対応
- 酸素吸入:呼吸不全時の支持療法
- 外科治療:脳腫瘍などで適応がある場合
あまの動物病院での治療

- 身体検査・血液検査、神経学的検査
- レントゲン・超音波による全身評価
- 必要に応じてCT/MRIなどの精密検査(二次診療施設と連携)
- 発作抑制薬の導入と再発予防プランの設計
診断の精度向上のため、発作時の動画をご提示いただけると大変助かります。
ご自宅での対応方法
- 家具の角・階段から離し、安全な場所へ(頭を打たないよう配慮)
- 口や舌を触らない(咬傷リスク)
- 発作時間を計測し、可能であれば動画撮影
- 発作後は暗めの静かな環境で安静にし、早めに受診
犬のけいれんの予防法
- 誤食防止(チョコレート、玉ねぎ、薬品、キシリトール など)
- 規則正しい生活・適切な食事管理・水分確保
- 定期健診で内臓疾患・電解質異常を早期発見
- 持病がある場合は処方薬を継続し、自己中断しない
よくある質問
Q:犬のけいれんは命に関わりますか?
A:短時間で収まることもありますが、長引く・繰り返す発作は命に関わる場合があります。すぐに受診してください。
Q:てんかんとけいれんの違いは?
A:けいれんは症状名、てんかんは脳の電気活動異常による病名です。
Q:初めて発作が起きたら受診すべき?
A:はい。初回や5分以上続く、短時間でも群発する場合は救急対応が必要です。
まとめ
犬のけいれんは、てんかん・代謝異常・中毒など多様な原因で起こります。
短時間で治まっても再発予防のため評価が必要。長引く・繰り返す発作は緊急受診を。
立川市のあまの動物病院では、原因を丁寧に検査し、発作コントロールと再発防止に取り組みます。
「突然けいれんした」「何度も起きる」など気になる症状は、お気軽にご相談ください。
あまの動物病院|東京都立川市

犬・猫・うさぎなど小動物の診療に対応。地域の皆さまの大切な家族の健康を守るため、丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけています。

